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困惑する男<1> 

突然現れた妹に、兄と別れてくれと迫られて。

<2> <3> <4>完


「は…、ん、も、やめ…っ、」
朝の光の中、俺の躯の下では、久世が色っぽく喘いでいる。
久世が俺を恋人だと認めてくれた日から、週末は必ず久世の家で過ごすようになった。
まぁ、留守がちとは云え、両親や兄弟のいる俺の家では、ゆっくりなんか出来やしないって云うのもあるが。


*すみません。のっけから、15禁。ご承知の上、お進みください。

「駄目だ。もう一回」
喘ぎの中で許しを請う恋人に、ますます煽られて、久世の中へと身を沈める。
「あぁっ、くっ…、」
漏れそうになった悲鳴を、枕に埋めてやり過ごそうとする久世が、妙に可愛くて、俺は意地でも声を上げさせたくなった。
「久世――――」
「あ…っ、」
中をゆっくりと楽しみながら、背後から抱きしめ、うなじに唇を落とす。久世の奴の弱いトコロだ。
「いいか? ココ」
言葉でも煽ると、意外に純情な久世の顔が、見る間に羞恥に染まる。まったく、慣れない奴だ。それとも、明るい中でヤルのに、抵抗があるのかもしれない。
「く…、佐伯ぃ」
先を強請る声に、俺はどうにも熱くなるのを抑えきれなかった。俺がこんな気持ちでいることを、久世は多分、知らないだろう。
追い上げる為に、動きだそうとした瞬間、絶妙のタイミングで、がらりと襖が開いた。
「兄さん、いつまでやってんの? いいかげんにしてくれない?」
「御幸ッ?」
覗いた顔に、はっとして起し掛けた身体を、久世に蹴り飛ばされる。
というか、二人して勢い良く身体を起こしたら、下だった久世に蹴飛ばされる形になっただけだが。
「せっかく誘いに来たんだから、とっとと終わらせて付き合って欲しいんだけど?」
「何処に、だよ? いやお前、その前に声くらい掛けろ」
久世は平然と答えているが、妹らしい女に、裸同然の姿を晒しているのは、どうにも居心地が悪く、俺は急いで辺りに散らばった服をかき集めた。
「声は掛けたわよ。兄さんたちが気付かなかっただけでしょ?」
御幸と呼ばれた女は、平然と俺たちを見下ろしている。
おいおい、どういう神経してんだ? アニキが男と寝てたってのに、えらく反応薄いんじゃねぇ?
「いーよ、佐伯。慌てなくても。こいつ、慣れてるから」
「お前や妹さんが構わなくても、俺が構う! みっともねぇ!」
正直、かなり恥ずかしい状況だ。恋人の家族に会うのなら、せめてもっと締りのある状況で会いたかった。
久世に良く似た妹の視線が痛い。
「先にシャワー浴びて来いよ」
居たたまれなくなった俺の気持ちを察してくれたらしい久世の言葉に、俺は一も二も無く従った。云われるままにシャワールームへ向かう。
簡単にシャワーを済ませ、身だしなみをきっちりと整えた。今更かもしれないが、格好付けたいのは、オトコの本音だろう。
「久世、使うだろ?」
シャワールームのドアを開きながら、精一杯のさりげなさを装って、久世に声を掛けた。
「ああ、佐伯。御幸、紹介するよ。同僚の佐伯だ。俺の――――」
久世は俺をちゃんと紹介してくれるらしい。ちょっと緊張して、背筋を伸ばした。
「兄さんのセックスフレンドなんて、紹介されても困るわ」
「は?」
俺は、口を疑問系に開いたまま、固まってしまう。
もちろん俺だって、諸手を挙げて歓迎されるとは思っていなかったが、久世が何か云う前から、そう来るか?
「じゃ、外で待ってるから」
用は終わったとばかりに、さっさと外へ出て行く妹を、久世もぽかんと見送っていた。俺は当然ながら、久世もかなりショックだったらしい。
よりによって、妹に『セフレ』を紹介するような兄だと思われていたとは。ショックどころでは無い筈だ。
「と、取りあえず、シャワー浴びて来いよ。妹さんと出掛けるんだろ?」
とはいえ、外では妹が待っている。いつまでも固まったままと云うわけにはいかない。何とか気を取り直した俺は、久世をシャワーへと促した。
御幸――――と云う女は、年の頃は二十四か五か。女の年はわかり辛いから、もっと行っているかもしれない。久世に似た可愛らしい顔立ちで、俺を睨みつけるように出て行ったのは、兄がオトコと付き合っているのが気に入らないのか。
いや、久世の性癖は理解しているようだったから、どちらかと云えば、俺自身が気に入らないと云うことだろう。
久世の言葉を途中で遮って、セフレだと決め付けたのも、俺を兄の恋人だとは認めたくないのかもしれなかった。
「前途多難って奴だな」
こんなことなら、土曜の朝っぱらから盛ってるよりも、弁当持って、公園にでも出掛けた方が、幾分マシだったかもしれない。
取りあえず、妹へのご機嫌取りも兼ねて、俺は、久世好みの味の弁当を作り始めた。朝飯も食わせて無いのだ。何処へ出掛けるかは知らないが、全て無駄になることは無いだろう。


     ◆◆◆


「じゃ、行ってくる」
「ああ。俺は洗濯してるよ。夜、帰らないなら、メールくれ」
久世は横浜へ出掛けるらしい。妹が『竹久夢二展』へ誘ってくれたそうだ。
「竹久夢二なんか好きなのか?」
と聞くと、「嫌いじゃない」と答えが返ってきた。なるほど。妹のシュミなんだな。
俺の家は、男ばっかりの三兄弟なので、中学の頃から『一緒にお出掛け』なんぞと云う不気味な真似はしなくなったが、女姉妹とかは違うのかね。
そんなことを考えながら、俺は汗だくですっかり重くなったシーツを引き剥がした。
とりあえず、週末にしか機能しない久世の家事機能を、すっかりセックス疲れで奪ってしまっている俺の、せめてもの詫びだ。
職場での久世は、一言で云えば『出来る奴』だ。
気配り上手で、部下の配置が上手く、仕事の流れをきっちりと把握している、頼れる男。
営業部の連中が『困ったことがあったら、総務部へ』と云うのは、総務に久世がいてこそだと思う。
ところが、家に帰った瞬間、久世は不精を絵に描いたような奴になるのだ。
初めて俺がこの家に来た時は、俺が座るスペースもろくに無かった。布団だって、何時使ったきりだよ?という状態。
洗濯だって、スーツとワイシャツはクリーニングに出してるものの、家で着る物は、見事に洗いざらしのヨレヨレ。
家で食う飯は、トーストとコーヒーだけ。
いくら何でもと思いはしたが、そんなところまで手を出したら、俺は押しかけ女房かって奴だろ? しかも、その時の俺は久世にとって単なる『セフレ』でしかなかった。
だが、週末ごとに久世を口説きに(抱きに?)来ていると、疲れた久世が、ますます物臭がってるのが見えて、まず、シーツの洗濯からはじめちまった。
そうすると、後はなし崩し。
最初は、俺も使ったタオルや着替えの洗濯。シャワールームやトイレの掃除。
久世のコーヒーの好みも覚えたし、食事にサラダや玉子も付ける。
「美味い」と笑った久世の顔が嬉しくて、泊まっている間の食事を作るようになった。
「気持ちいい」と布団になついてるから、洗濯した。
「俺の部屋じゃないみてぇ」と驚いた顔が可笑しくて、掃除もした。
元々、両親が共働きの家で、自分のことは自分でやるのが当たり前だったから、久世の世話を焼くのは、自分の延長のようなもので、全然苦にならなかったし、むしろ当然というつもりでいたのだ。
「久世の家族、か」
ゲイだとばれた時に、勘当されたのだと聞いた。ただ、最初から妹は頻繁に訪ねてくるようなことを云っていたから、仲はいいのだろう。
その妹に反対されたときに、久世はどう出るだろう。
考えて、俺の口からは、知らずため息が漏れた。


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