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強くなる男<4> 

男と女では、どうしても女性が長風呂になる。俺たちは、女性陣が出るのを待って、ロビーの土産物を見ていた。
正月越えになるから、土産物はスタンダードに温泉饅頭か、洋菓子だ。
「土産か?」
「ああ。女どもがうるせえからな」
総務部は、少数の男に、女性が山な職場だ。可愛い系だとなおいい。
「俺も買っていった方がいいかな?」
英次が云うのに、俺は、英次の部下の女丈夫二名の顔を思い浮かべ、即座にうなずいた。
「やっぱり」
「男連中には温泉饅頭で充分! どうせ、隣の課だ。お前の課の連中にはキチンと買っとけ。特に藤壺と若紫には」
藤壺の宮と若紫というのは、英次の部下二人の総務部内でのあだ名である。営業部最長老の女性二人は、仕事の出来るお局さまであると同時に、年に似合わない若さと美貌の主でもあった。しかも、俺たちのことは知られている。
「ゲっ、やっぱり?」
「当たり前!」
あたりは付けておかないと、その場で適当なものを買って帰ったりすれば、何を云われるか解かったもんじゃ無い!
それぞれがいろいろ悩みながら、土産を選んでいると、目の端に大柄なぼたんと可憐な山百合の浴衣姿が映る。
ようやく、風呂が終わったらしい。
「おまたせ」
濡れた髪をアップにして、きびきびと歩いてくる様は、やはり、どうしても注目を集めていた。周囲の視線が集まってくるのを感じる。
俺は、苦笑いしながら顔を上げて、食事に向かう為に、香澄おばさんに続いて歩き出した。

夕飯時とあって、結構店は混みあっていた。
綺麗に盛られた舟盛やら、炭火焼の肉やら、名前も判らないいろいろな料理で腹一杯だ。
見た目に綺麗な和食に、女性陣もはしゃいでいる。
食べるだけ食べて、ほろ酔い加減に酒も入ったところで、廊下へと出たのは、料亭の入り口に喫煙所があったのを思い出したからだ。
どうせ、香澄おばさんと悠里がいい顔をしないだろうと、タバコはなるべく我慢するつもりだったんだが、飯と酒が入ると、どうしても食後の一服は欲しくなる。
入り口の横にある、ガラスで仕切られたスペースで、ふぅっと煙を吐き出した。
そのうち、皆も出てくるだろう、と個室の方へ目をやると、見覚えのある男が個室への通路を歩いていくのが見えた。

年の頃は六十近い筈だが、背筋がぴんと伸び、俺が見たことも無い柔らかな表情で、隣の女に話し掛ける。
その女も、俺の知らない女だ。同じ年の男の妻でも、三十近い男の娘でも無い。俺よりちょっと年上の、中年と云うには、まだ充分に色気のある女だった。

「おい、ヒロ?」
「どうしたの、ヒロ。ぼーっとしちゃって」
はっと、正気に帰ると、英次が俺の目の前で手を振っている。香澄おばさんも横から覗き込んでいた。
「いや、何でも無い」
見る筈の無い姿に、俺はかなりショックを受けたらしい。まったく、いつまで経っても俺は囚われている気がするな。
「親戚のオッサンに似た人が歩いててさ。俺、勘当中の身じゃねぇか。会うとヤバイんだよ」
自分に云い聞かせるように、そう言葉にして、立ち上った。
そう、似た人だ。奴がこんな場所にいる訳ない。しかも、どう見ても、アレは不倫カップルだぞ。俺がゲイだと云うことさえ許せなかった、お堅い名門高校の先生が、不倫なんぞしている訳が無い。
しかも、正月も近い年末だ。妻はともかく、娘に言い訳も出来ないだろう。


「じゃ、母さん。俺たち、これで」
離れへ戻ると、香澄おばさんに続いて、そのまま居間へ入ろうとした、俺の襟首がぐいと掴まれた。
「そうね。じゃ、おやすみなさい」
「へ?」
俺が聞き返すが、その間も英次の力はまったく緩むことなく、俺の腰を抱えて、引きずって行く。
「おやすみなさい」
「おやすみ~」
悠里と五実にも見送られ、俺に助けの手はまったく入らないことを悟った。唯一、総一さんだけが複雑な顔をしていたが、それでも英次を止める気は無さそうである。


*これより先15禁。承知の上、お進みください。

離れの中でも独立した個室に連れ込まれ、英次は布団の上に俺を押し倒す。
「おい、英次ッ!」
「あとで。って云ったよな?」
囁きながら、耳たぶに舌を這わされた。
それは、確かに云った。ヤルこと自体に異存は無い。
だが、これじゃ、あまりにあからさまだ。あの場で意味解かって無かったのは、おそらく悠里だけだろう。
「英、次、あ…んッ…」
浴衣の襟から手を差し入れられる。胸元を晒され、いいようにまさぐられた。
俺の力の抜けたガタイを寄りかからせたまま、英次は、帯に手を伸ばす。
「相変わらず、感じやすいな」
そんな戯けた寝言を呟きながら、英次の手が俺の裾を割った時、俺はがばりと起き上がった。
急な動きに、英次が突き飛ばされる。
「痛てぇな。何だよ」
「浴衣が皺になる」
心配なのは、皺より別のものが付く事だが、まさか、そう口にする訳にもいかない。
何といっても、三泊もする旅館である。
とっとと脱ごうと、俺は帯に手を掛けた。
だが、その手は英次に阻まれる。英次は、嫌になるほど緩慢な動作で、俺の帯を解きだした。帯が落とされ、浴衣もゆっくりと肩をすべり落ちるように脱がされる。
その間も、英次の手は、胸を揉みしだき、首筋や耳たぶを強く吸い上げていた。
「英、次。跡が…」
服はいい。ほとんど冬場は襟元は隠れる。だが、浴衣となれば、そうは行かない。
俺の理性が僅かな抵抗を示した。
「いいじゃないか。どうせ、みんな知ってる」
見せ付けてやろうぜ。と耳元で甘く囁かれ、俺は残った理性を手放した。

俺の指が、英次の帯に掛かる。
興奮している所為か、うまく解けない。モタモタしている俺の手を英次が押さえた。
自分で帯を解く。布団の傍らの、俺の浴衣の上に帯と浴衣が落とされた。
晒された英次の躯は、細身に見えて、結構逞しい。
俺は、英次に圧し掛かるように、布団へと二人して転がっていった。
俺の躯を、英次は受け止めたままの体勢で愛撫を送る。
身体中に鬱血の跡を散らし、自分のものだと云わんばかりに抱きしめてくる。
俺は、英次に誘われるまま、自ら英次を受け入れ、快感に震えた。
揺さぶり、突き上げながら、俺の漏れる吐息ごと持っていくかのようなキスをされる。
「あ、は…ん、くッ」
漏れる声は、もはや嬌声なのか、苦鳴なのかさえ定かでは無かった。
「隆、大ッ!」
英次の低い声が、唸るように俺の名を呼ぶ。
同時に俺たちは、達していた。

そのまま後ろへ倒れそうになる俺を、英次がしっかりと支える。
力の抜けきった躯を英次に預けたまま、俺は息を整えていたが、俺の中で英次が力を取り戻しているのが判って、慌ててどこうと試みた。
だが、すばやく英次は俺を捕らえ、反転させかけた躯を、今度は背後から貫いた。
「ば、…っかや、ろ、これ、抜け、って」
息も絶え絶えの俺の抗議など、英次が聞くわけが無い。
「駄目だ。もう一回。な?」
いくら、居間が間にあるとは云え、同じ離れにおばさんたちがいる。一度達して、妙に冷静になった俺の頭には、どうしても、それが引っかかっていた。
「もう一回だけだ」
いいだろう?と、背後から覗き込む英次に、俺が勝てる訳が無い。
とっくに躯は陥落している。
「英、ん」
それでも、何とか言葉を紡ごうとした口を、素早く深いキスがふさぐ。
そのまま、揺さぶられて、すぐに何も判らなくなった。


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