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遥かなる星の軌道<5> 

最寄り駅で降りる頃には、さっきの不機嫌はなんだったのかと云う程、誠司は機嫌を直していた。
一緒に商店街で買い物を済ませ、アパートへと帰る。
食事の用意を済ませると、向かい合わせのローテーブルに落ち着いた。
和食は、誠吾が来た頃から、少しづつ城の食卓にも、もどきが上がるようになっていたので、慣れてはいる。しかも、誠司の作るそれは、どちらかといえば、和食そのものと云うより、その「もどき」に近い。おそらくは、サディの舌に合わせているのだろう。
そういう細やかな気遣いを示す反面、今日の様に意地の悪い顔を見せることも多く、サディは、誠司のアンバランスさを持て余していた。
サディが誠司に惹かれたのは、そのアンバランスな危うさ故だ。
誠吾は身体も小さく力も無かったが、その精神は強靭なものだった。時折、弱さを見せることもあったが、それを乗り越えた後は、誰よりも力強く立っている。
だが、誠司は違う。
誠司は初めて出会った子供の頃には、背丈も誠吾と変わらぬ程あったし、異世界に来てひと月も経っていなかったというのに、言葉も使いこなし、年少の使用人たちからも頼られていた。
それが、単なる強がりだと気付くのはすぐだった。気が強い風を装い、誰よりも大人であろうとした少年。
いつも寂しげな微笑を浮かべていた。何処か諦めたように。
父親との別離さえ平然と受け入れた、誠司の心の内は、誰にも解らない。
「セージ。監督に聞いた」
「何を?」
「その、ドイツに誘われていると」
誠司の顔色がさっと変わった。サディはしまったと思ったが、もう遅い。
「ああ。誘われてるぜ。それで、行って来いって? いつまでも俺みたいなデカイ男がくっ付いていたんじゃ恋人も出来ないってか?」
「いや、そうじゃない…」
「じゃあ、何だ? 邪魔なんだろ?」
誠司は激昂するままに立ち上がった。
「いいぜ、出て行けよ! さっさと…」
それ以上の言葉を云わせたくなくて、誠司の唇を、唇で塞いだ。
抱きしめる躯は、もちろん、肉体労働をしている自分には敵わないものの、身長はいつの間にか自分と変らないくらいになっている。
「セージ」
唇を離して、誠司の瞳を見つめた。寂しさを湛えた瞳。
「ずっと、そばにいる」
目を丸くした誠司が見上げてくる。拙い自分の日本語は通じただろうか? あまりに反応の無い誠司に、サディがいぶかしがっていると、いきなり抱き締められた。
荒々しく口付けられ、口腔に舌が差し入れられる。
いきなりの展開で、どうしていいのか迷っていると、誠司はそのままサディユースに覆いかぶさってきた。
驚きはしたものの、引き離そうとは思わない。そうすれば、誠司はきっと自分のそばから離れてしまうだろう。
「約束、守ってくれるんだ」
唇を離した誠司が呟く。幸せそうに微笑むその姿を見たのは、一体何時だったのか。


*これより先、15禁。御承知の上、お進みください。

「約束?」
「ううん。覚えて無くてもいいよ。俺が覚えてるから」
「セージ?」
「それより、今は…」
誠司の指がジッパーを開き、いつもと同じにサディの雄を煽り立てた。
それを今日は素直に受け入れる。その間も口付けは痛いほど絡まって、舌を吸い上げられた。
今までは、誠司が何を思って、この行為を行うのか解らなかった。だが、今なら解る。誠司は自分を求めていたのだと。
「あ、は…ッ、」
一方的にされるのが嫌で、サディは、誠司のそれにも手を伸ばしたが、その腕は寸でのところで、誠司に押さえられた。
「今日は、俺にさせろよ。初めてで下手かもしれないけど」
「セージ?」
誠司の手が半端に開いた上着のボタンに掛かった。ひとつひとつ取り去られ、いつも着ていたTシャツの裾を捲り上げられると、その下にあるのは、逞しい身体だけでは無い。
胸元や腕に生えた体毛があった。
自分たちが何処から来たのか、何処に行くべきなのか、誰も解らない。
異世界でも異質であったそれは、ここではもっと異質なものだ。
それに誠司が舌を這わせる。生え際を辿るそれに、サディの背筋が震えた。
そのまま、胸の突起にたどりついた誠司の唇が、それを食む。
今まで、誠司とするときには、誠司は決して自分の肌を見ようとはしなかったし、誠司自身の肌を見せることも無かった。
「セ、セー、ジ。もう、」
「うん。いいよ」
誠司の手の内で弾ける自分を感じて、サディユースはほうっと息を吐く。
ごろりと横になると、誠司が甘えるように胸に頭をのせて来る。頭を引き寄せると、再び唇を塞がれた。
誠司の腕が、サディユースの背中を抱き寄せる。
今日は気の済むようにしてやろうと思っているサディは、誠司が何をしても抗うことすらない。
「サディ、ホントにいいの?」
「何、?」
作業服の前をはだけられ、Tシャツはまくれ上がり、くつろげられたズボンは、半端に脱げ掛けて、足に絡まっている。
サディ自身は意識してはいないそんな格好が、誠司を煽った。
「やっぱり、解ってないんだな」
寂しげに、誠司が視線を落とす。
サディユースは、大きなため息を吐いた。
「俺を――――」
日本語で続きを云おうとして、言葉が解らないことに気付く。何と云えばいいのだろう。
『お前の番いにしたいんだろうが』
トレクジャクサの言葉で云い放つ。だが、今度は誠司が首を傾げていた。
『番い?』
『そう、番い。つまり、王とセイさまのような関係のことだ』
サディの言葉に、誠司が飛びついた。そのまま、畳へと押し倒す。
「サディユース」
ゆっくりとサディの腕が誠司の背にまわった。
「セージ」
乱暴に自分を穿つ男の動きを止めようとはしない。セージが自分をそういう目で見ていたことには驚きだが、誠司とならば、どうでも良かった。


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