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アクシデント<2> 

「ようこそ、俺の城へ」
広めのワンルームは結構片付いている。先輩は座布団を俺に勧めて、タンブラーに氷を入れて戻ってきた。
「ウィスキーくらいしか無いんだが、水割りにするか? ウーロン茶くらいならあるが」
「あ、じゃあウーロン割りを」
ここまで来て遠慮するのも変な話だ。俺は堂々と酒の好みを告げる。
にっこりと微笑って、俺の前にタンブラーを差し出す先輩は、何処から見ても男前だ。本当なら俺じゃなくて、女の子がここにいるのが本当じゃ無いのか?
「すみません。迷惑ですよね」
意識した途端に尻が落ち着かなくなった。手にしたタンブラーを一気に煽る。
「待てよ」
立ち上がろうとした俺の手を、先輩はがっしりと掴んだ。
「何だよ。いきなり」
「だって、迷惑でしょ? 酔って世話焼かせて、あげくに家にまで上がりこんで」
「そう思ってるなら、家になんか上げないって。とりあえず、落ち着けよ」
先輩は俺の肩を押さえて元の場所へ座らせると、呑み干して氷だけになったタンブラーを握らせる。
「さ、呑めよ」
握らせたタンブラーに酒とウーロン茶を注いで、先輩がぐいっと差し出すのを、俺は素直に呑み干す。
先輩は俺に勧め、その合間に自分もどんどん酒を注いでいる。
「先輩モテるでしょ? イケメンだし、優しいし」
「そうか? お前だって可愛い顔してるぞ」
「可愛い~、ペットみた~いってオンナは云うんですよ。いいお友達でいましょうね、で終わりですよ~~」
「ペットぉ? 鹿山、それ面と向かって云われたのか?」
「まっさか! いくらなんでも、そんな無神経なオンナと付き合う程、見る目はひどくないですよ~。偶然、聞こえちまったんですよ」
「だよな。どーしてああ、オンナだけになると声デカイかな」
ナニが可笑しいのか、俺たちはかなりハイな状態で、喫茶店のオンナたちもかくやと云う調子で、ゲラゲラ笑いながら呑み続けていた。
つまみにと出されたアーモンドもポテトチップスもとっくに腹の中だ。
先輩はいつの間にか俺の肩を抱いた体勢で、しゃべり続け、『一体、何処の酔っ払いのオヤジだよ』という状態。
最初に抱いた『イケメンでカッコイイ、仕事の出来そうな男』というイメージも崩れっぱなしだが、それもそれだけ俺に心を許してくれているような感じがして、俺はうれしかった。


*これより先15禁。ご承知の上お進みください。
「鹿山」
ふいに耳元で声がしたかと思うと、俺の唇に濡れた感触が押し付けられた。
ソレが先輩の唇だと、俺が気付いたのは先輩の舌が俺の口中を自由に動き回りだしたからだ。
「先輩ッ?」
俺は、躯に覆いかぶさる先輩を突き飛ばした。
「鹿山―――」
「な、ん……ッ」
唇を腕でぬぐう。
先輩は、その俺の腕を取り引き寄せた。
「せ、先輩ッ、俺、男で…、」
「解ってるよ。自分でもどうかしてると思ってるさ」
先輩は苦しそうな顔で、俺を見ている。
「気持ち悪いか。俺も自分がホモだとは思わなかったぜ」
俺は首を振った。びっくりしたのは確かだが、気持ち悪いとは思わなかった。こんなにカッコイイ人が、どうして俺なんかに?とは思うけど。
「どうして俺なんですか?」
疑問はそのまま口から滑り出ていた。
「どうしてかな? 一目で惹かれた」
「今日はじめて会ったのに?」
一目惚れだって? ゲロの始末までさせたのに?
「いや、初めて会ったのは一年前だ。見ろよ」
窓を開いて、先輩は眼下を指した。その先にあるのはここ4年、俺が大学へ行くのに通い続けた駅があった。
「いつも一両目に乗っていただろう。時々、駅向こうの公園でデートしてた。バイトは駅地下のお土産モノ屋」
「ストーカーですか」
呆れたように呟いた俺に、先輩は苦い笑みを浮かべる。
「まさか、知り合えるとは思って無かったからな。同じ車両で同じ空気を吸っているだけで満足だった。高校生だろうと思っていたから、ある日同じ車両に乗らなくなって、それきりで終わる恋だと―――」
「声掛けようとは思わなかったんですか?」
「まさか。見るだけで良かった。駅で見掛けていたから、空いた時間は駅で過ごしていたよ」
駅の向こうには俺の通っていた大学と住宅街が広がっているだけだ。働くにも遊ぶにも駅前周辺しか無かったから、自然と行動はその辺りに集中する。
「だから、就職説明会で見たときは驚いた」
それだって、地元企業狙いなら誰でも受けるだろう。新海菱熱は地元でも一番大きな会社だし、ここから3つ先の駅に本社がある。実際、うちの大学の卒業生も多い。
偶然とは必然の積み重ねだ。
「こんな風に迫るつもりじゃ無かった」
吐息と共に想いを吐き出す先輩の顔は、どこか苦しげで俺は心臓を掴まれた気分になる。
「鹿山――――」
先輩の唇がもう一度重ねられた。
最初の時のように強引にでは無く、こちらの様子をうかがうような、どこかびくびくした感じで、俺が抵抗したら多分、すぐに引いてしまうだろう。
「鹿山」
俺の名前だけ繰り返し呼んで、覆いかぶさってくる躯に、俺はどうしていいか判らなかった。
「敏だ」
ただ、辛そうな顔を見ていられなくて、俺はそう応える。
「さとし? そう呼んでいいのか?」
先輩の顔に優しい表情が広がった。俺は、それにカッと躯が熱くなるのを感じて、視線を逸らす。
「勝手にしろよ」
もう敬語なんて使っていられなかった。
「敏―――、さとし」
俺の名前を、何かの呪文みたいに繰り返し繰り返し、何度も呼ぶ。
先輩は俺の躯をその場へ横たえた。まるで、女の子にするみたいに優しく大事に扱われて、俺は余計に気恥ずかしくて消えてしまいたくなる。
「さとし」
丁寧に服を脱がされた。ボタンが外しにくそうだったけど、俺から外すのは嫌で、知らないフリをする。
俺の胸や腕や足までも、あらゆる所に先輩のキスが落ちてきた。
「さとし…?」
うかがいを立てるような呼び方に、閉じていた眼を開いて少しだけ身を起こした俺は信じられないものを見て固まってしまう。だが、やがて濡れた感触に俺自身が包み込まれるのを感じた時、それが本当だと判った。
「…ッ、はぁ…」
思わず漏れそうになる声を必死で抑える。女みたいに声なんか絶対に上げたくない。
噛み締めた唇を先輩の指がたどった。
硬くなっている俺を抱え上げるようにして、先輩は俺をベッドへと下ろす。
柔らかい感触にほっとした俺の上に、先輩の躯が再び覆いかぶさってきた。
「敏…いいか?」
今更、何を云っているんだろう? これ以上一体何の許可を俺に求めてるんだ?
俺は判らないまま肯いた。今更、何をされても一緒だと思った。
だから、俺の股間に先輩が顔をうずめた時も、抵抗はせず、するままに任せる。ところが、先輩の舌が触れてきたのは、俺自身じゃなく、もっと奥の場所だ。
「せ、先輩ッ、」
俺はさすがに泣きそうになった。男同士でそこを使うらしいと、知識で知ってはいたが、まさか、そんなところを舐められるなんて思わなかった。

先輩に背後から抱きかかえられると、胸の鼓動が伝わってくる。
受け入れる痛みは激しいものだったが、耐えられない程じゃなかった。
先輩は、あくまで優しくて、俺は泣きそうになりながら、押し上げられる感覚に耐えていた。


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